今、世界中で流行が恐れられている新型コロナウイルス。国内での感染拡大をどこまで防げるのか、刻一刻と更新されるニュースから私たちは目が離せません。
毎年、気温が低下して空気が乾燥するこの時期は、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が猛威を振るいます。
抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は、症状が長引いたり重症化しやすいので特に注意が必要です。
小さいお子さんがいるご家庭では、乳幼児がかかりやすい感染症の特徴をよく知っていただき、予防と早めの対応を心がけてください。生後3か月頃までの赤ちゃんはお母さんからの免疫で守られていますが、その後は徐々に減ってなくなってしまいます。
赤ちゃんがこの頃からさまざまな感染症にかかるのは、自分で感染症に対して免疫をつけていくための、成長過程で必要なことでもあるのです。でも小さな子どもでは、自分で不調をうったえることができなかったり、どこがどんなふうに痛いのかうまく表現できないことが多くあります。
ですから、ご両親は日ごろからお子さんの状態(元気なときの機嫌、顔色、平熱)をよく観察しておいてください。そうすれば、いつもと違うちょっとした変化に『直感的』に気づいてあげることができます。発熱、鼻水、せきなど風邪によく似た症状
2~8日
飛沫感染・接触感染(身近にいる家族などの軽症の感染者からの感染や、日常的に触れるおもちゃなどからの感染)
2歳までにほぼ100%が一度は感染するといわれていて、子どもから大人まで何度も感染・発症しますが、年齢が高くなるにつれ軽い症状ですむようになります。
新生児や乳児が初めてかかった場合、重症化する確率が高くなり、重症化すると細気管支炎や肺炎を引き起こすことがあるため注意が必要です。せきがひどい、ゼーゼーする、呼吸が浅かったり呼吸数が多くなるなど、症状が悪化してきたらすぐ医療機関を受診しましょう。
白っぽい水のような下痢便、激しいおう吐
1~3日
経口感染・接触感染
もっとも発症しやすいのは生後6ヶ月~2歳の乳幼児で、5歳までにはほぼ全ての子どもが感染するといわれています。
感染力が強いので、保育園などではあっという間に流行してしまいます。くり返すおう吐と下痢で、乳幼児ではうまく水分をとることができず、重い脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。
まれにけいれん、急性腎不全、脳炎、脳症などの合併症がみられることもあります。
十分に水分補給しましょう。水分をとらせてもすぐ吐いてしまう、おしっこが出ないなどの場合は、早めに医療機関を受診しましょう。<ワクチン接種が可能!>
2011年からロタウイルスワクチンが認可され(任意接種)、生後6週間からワクチン接種が可能になりました。かかってしまうと根本的な治療法はありませんが、ワクチン接種によって症状の重症化を防ぐことができるようになりました。
ワクチンの種類によって接種時期や接種回数が異なるため、かかりつけ医に相談してみましょう。子どもは大人に比べて病気への抵抗力が未発達なため感染症にかかりやすく、また保育園や学校など感染が広がりやすい環境にいます。
『手洗い・うがい』の大切さをしっかり伝え、正しくできるように指導しましょう。そして大人も子どももバランスのよい食事と規則正しい生活を心がけ、家族全員が新型ウイルスだけでなく、この季節流行するその他の感染症にも十分注意して過ごしましょう。